自分にしかできないと思える超難易度が高い仕事を、スタッフに任せられるようにしていくための工夫や具体的段取りとは?

仕組みの創り方と、引き継ぎミーティングの行い方 ※第36回 定例講義(中上級編) 

2014年11月04日(火)【定例講義 中上級編】  【記事投稿者一覧→】

自分の仕事が忙しくてどうにもならないときの選択肢は、2つしかありません。

1つは、なんとか自分で必死になってがんばり続けることで、もう1つは、少しずつでも自分以外のスタッフに任せることです。

先月の定例講義(中上級編)は、この後者のように、任せることを考えはじめた人が、任せようと思うだけではなく、本当に任せられるようになるのかという部分に頂点を当てました。

念のため、その解説のリンクを以下に記載しておきますね。

スタッフに任せたくても、任せる時間さえとることができない社長が、任せられるようになるための具体的な業務分解プロセスとは?~なぜ本当は任せたいのに、任せられないのか?~

一方で、なんとか1つ1つずつスタッフに業務を任せられるようになった方には、次の悩みが生まれてくるものです。

それは、本当は任せたい業務があるのに、どのようにして引き継いで良いのか分からないのでお願いできないというものです。

その種類の悩みは、大きく分けて3つに分かれます。以下、1つ1つ解説をしていきます。

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■1)業務自体は難しいことではないが、スタッフにお願いするには、仕組みの工夫が必要な業務―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

これは、特に、在宅勤務を導入している場合には、少なからず見られるものです。

例えば、オフィスで一緒に仕事をしているのであれば、社長宛に届いた郵便物をスタッフが一通り確認し、スタッフの方で、この郵便物は社長にも共有した方が良いかなと感じた際には何かのタイミングに

   「社長、この郵便物はご覧になりますか?」

と確認することができます。

それが、在宅のスタッフに依頼すると、それを写真で撮って、同じようなことをするか、TV会議をしているときに同様なことをする必要があり面倒だったり、だから、確認をし忘れて放置されてしまったりするものです。

また、契約書に印鑑を捺印して郵送するにしても、オフィスで一緒に仕事をしていれば、スタッフが製本した後に、その場で社長に捺印してもらいスタッフが郵送することができます。

それが、在宅勤務の場合だと、スタッフが製本し、それを社長に郵送してから社長が捺印し、それを社長が顧客に郵送するという手順が必要になります。

その手順だけでも面倒なので、だったら面倒だから社長が契約書の製本までやってしまうおうかな、ということにもなりがちです。

決して、業務自体は難しいことではないのに、スタッフにお願いするためには一工夫、仕組みを考える必要があり、それがなかなか思い付かないから社長がずっとやり続けてしまう、というのが、このタイプの業務の傾向ですね。

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■2)業務全体の流れやルールを一通り理解してしまえば、誰でもできるが、それを理解するまでが大変な業務
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一方で、業務自体が結構複雑だから引き継ぎが大変で、結果として、スタッフにはなかなか任せにくいというものもあります。

当社の業務で言うと、口座振替(月々の銀行引き落とし)の手続き業務もこれにあたります。

具体的には、毎月27日に自動銀行引き落としをしようと考えると、そのためにまずは、顧客データベースに金額の登録をします。

その金額は、基本的に一緒なわけですが、新規で入会された方の最初の引き落としはどのタイミングなのかを確認したり、初回は2ヶ月分をまとめて引き落とすケースなどもあったりします。

また、この月だけは、通常の会費に加えて、別のものの料金も一緒に引き落とすようなこともあり、この確認だけでも大変です。

その金額が確定した後に、エクセルに変換し、そのエクセルを整形した上で、金融機関に送付するためのデータ形式に変換するために、あるソフトで読み込み直して、別ファイル形式に保存し直します。

その上でで、その最終的なデータを、金融機関への送信ツールにログインして送付する、といったように結構複雑だったりします。

マニュアルを作成するにしても、微妙なニュアンスを表現しにくく、作成したとしたら、かなりの膨大なものとなってしまうでしょうから、とても作れるものではないですし、作ろうとも思えません。

ですので、どうやって引き継いで良いか分からなかったため、はじめてスタッフを採用してから数えると、この業務をお願いできるようになるまでには4年以上もの期間を要することになりました。

また、昨年には、同程度の難易度の業務を行う必要性が出て来ました。

それは認定証発行の業務で、一体それの何が難しいのだろうと思うかもしれません。

が、それは、「ビジネスモデル・デザイナー(R)認定講座」でお世話になっている、「内閣府(公財)日本生涯学習協議会」が発行する認定証の場合だと、突然複雑になってくるのです。

それだけの公的機関ですと、ただ、認定証の発行をお願いしますと言っても出してくれるわけではなく、相当数の書類を用意する必要があります。

おまけに、その書類は、受講生から郵送という形で、当社のスタッフに送付して頂く必要があります。

当然、スタッフの住所を受講生に伝えるわけにはいきませんから、受講生には最初は当社宛に書類をお送り頂くことなります。

会社宛に届いた、それらの郵便物は、一体、誰が、担当スタッフにまで転送すれば良いのか?!(恐)

さらには、当社だけではなく、協会ビジネスのクライアント様でその公益財団法人からの認定証発行を希望される方にも同様な手続きを秘書サービスとして代行させて頂いたりもしています。

今では、これも含めて、全て、私(中山)は一切ノー・タッチで、スタッフだけで自立して進めてくれるような仕組みが完成しています。

その経験からも、どんな複雑に思える業務であっても、工夫次第で引き継ぐことができるのだなと痛感している次第です!

ただ、上記の1)と違って、この2)くらい複雑なものですと、スタッフにも適性が求められます。

ですので、この種類の業務をお願いするのは、当社では、サイグラムで言うところのM10タイプのスタッフで、さらに、その中でも適性を持ったスタッフと出会ったときと決めています。

M10タイプの力が、このような業務でどれだけ発揮されるかというと計り知れないものがあると実感しているところです。(感謝)

ちなみに、このような業務をどのようにして引き継ぐのかというと、マニュアル作成は難しいと上述しました。

では、口座振替や認定証発行の難易度が高い手続きはどうやって引き継いだかと言うと、ミーティングによる方法と、動画マニュアル作成による方法の両方を試し、いずれとも上手くいっています。

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■3)業務を遂行するためには、知識だけでは十分で技能の修得が必要でその修得のためには、反復練習やトレーニングが必要な業務
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さて、以上の2種類の業務とは別に、そもそもが、単純に引き継ごうと思っても、知識レベルの引き継ぎでは、引き継ぎの2割も完了しない、という業務もあります。

起業家のクライアントさんに対する個別面談のサービスを、私に代わって、スタッフに実施してもらおうと思ったら、マニュアルを書いたり、ミーティングして引き継いだりしてできるようなものではない、というような類の話ですね。

当社で言うと、「在宅秘書サービス」の採用代行や導入を行うコンサルティングの業務もこれに相当します。

採用代行の過程では、ただ求人して書類をとりまとめれば良いかというとそのような簡単な話ではありません。

まず、どのような求人文を書いたら、より、このクライアントさんのもとで働きたいと思う人にエントリーをいただけるかを考える必要があります。

そうして、エントリーがあった方の中でも、その適性や資質を客観的に見極め、その上で、クライアントさんにはどの方が最適であるのかという仮説も立てる必要があります。

その上で、クライアントさんが、いや、その人じゃない方がいいんだけどな、と言われた際には、そのご意向もお聞きし、自分はどう思うかもお伝えした上で、最終的にはどの方を採用するのが良いかの意志決定をしていきます。

採用後にも、上手くいかないことがあれば、クライアントさんと秘書との間に立って、調整をはかります。

これらの過程には、ノウハウや知識というものがありますが、それらを使いこなせるようになるための反復練習やトレーニングが大切になってくるものですね。

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以上、本当はスタッフに任せたい業務があるのに、どのようにして引き継いで良いのか分からないのでお願いできないという3種類の業務をご紹介しました。

当社でも苦しみを伴いながらも、上記で記載の業務は全て引き継ぐことに成功しています。

では、上記の1)、2)、3)は、具体的にはどんなやり方で引き継いできたと思われるでしょうか?!

その具体的な方法については、11月の定例講義(中上級編)の中で解説しました。

その音声とテキストは以下よりご参照頂けたら幸いです。

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