スタッフがやる気になる言葉 vs やる気を失う言葉

※第62回 定例講義(中上級編)

2017年01月04日(水)【定例講義 中上級編】  【記事投稿者一覧→】

年始を迎えるにあたって、今年の目指すところを明確にしたり、計画を作成したりということを続けています。

が、今という段階ではそのようなことをしていながらも、実際にところ、私はかなり行動が先行し、計画は全く立てずに活動を始めるタイプです。

とは言え、組織経営においては、社長とスタッフとの考えのずれをなくすためにも、ビジョンや計画を言語化しておくことは大切だと考えて、明確にするように努めているわけです!

初めて自社スタッフを採用した際にも、業務の一覧表や役割分担、いつ実施するのかといった計画を立てた上で仕事の依頼をしてきました。

週に1回は各スタッフとTV会議を行い、先週決まったことがどこまで進んでいるのか、進んでいないとしたら何が課題かを抽出し、対策とアクションを明確にするということをやってきました。

それでも、なかなか仕事が思うように進まなかったため、週に1回のミーティングでは足りないのだと考え、毎朝実施するようにした時期もありました。

私は、組織経営というのは、そのようにしてPDCAを回していくべきものだと考えていたわけです。

そして、多くの方も、今は実際に徹底できているかどうかを別にしても、そのようなことを徹底することはとても大切だとお感じの方も多いかもしれません。

しかし、私はどんなにそれを追求しても、会社の仕事を思い通りに進んだことはありませんでした。

私が思い描く理想のために、スタッフ一人一人の役割分担をしっかりして進めても、想像が付かないほど仕事は進まず、仕事が定着する前に辞めていくスタッフが続出していました。

ところが、この数年間の間というものは、そのように必死になってPDCAを回すような努力を一切辞めました。

確かにTV会議は継続していますが、そこで行っていることが全く違うのです。

上手くいかった時期に私がしてきたことは、指導、アドバイス、命令のようなことでした。

組織の目標を達成することが何よりも最優先であり、そこからずれるものを、ただひらすら矯正しようとしてきたのです。

今現在は、そのようなことは全くしていません。

その代わりにしているのは、スタッフ一人一人が何に困っているのかの理解を深め、そのスタッフが実現したいことのために、どのような応援ができるかということです。

そんなことをしていたら、会社の目標など達成できないのではと不安に思われるかもしれません。

しかし、このやり方にしてから、当初の会社の目標以上の成果が得られるようにもなったのです。

今、強く実感していることは、

「PDCAを必死に回そうとするような経営管理では人は動かない!」

ということです。

そういった経営管理以上に、スタッフをどれだけ大切に思うのか、ということがもっと重要だと実感している次第です。

そして、経営者によるそのような気持ちが伝わったとき、スタッフは、そんな風に自分を応援してくれる会社のためにがんばろうという気持ちになるのではないか、と考えているのです。

スタッフが手痛いミスをしてしまったようなときには、そのミスを責めたい気持ちになるかもしれません。

そんなのとき、なぜ失敗したのかと追求し、次にミスをしないための改善策を今すぐ立案しなさい等と言われれば、論理的にはその重要性を理解しつつも、感情的には納得がいかないものです。

なぜならば、確かにそのようなミスをしたことは事実であっても、スタッフは意図的にわざとミスしようと考えてしたわけではないからです。

全力を尽くしたにもミスしてしまうということも珍しくありません。

そんな気持ちを一切理解してもらえず、ただ次からはミスを是正せよと命令されたとしたら、そのスタッフは、

「社長は自分のことを何も分かってくれやしないんだ…」

と悲しく、つらい気持ちになります。

ミスしてしまった本人が実は一番、それについて自覚しています。

そのような気持ちさえも分かってくれないのだとなると、そんな社長のために、がんばろうという気持ちはなくなっていきます。

そのような気持ちのままで、ミスの再発防止の施策などを考えたところで、そのスタッフの本気の気持ちなどが引き出されるはずがありません。

だから、どんなにミス防止施策を打ち出したとしても、ミスが何度も繰り返されることになるわけです…。

ミスをするな、再発を防ぎなさいという言葉はスタッフのやる気を失わせ、ミスの再発を誘導させてしまうのです…。

以上の考え方は、スタッフがいなくても外注先を含めて、何かの仕事を自分以外の人に対してお願いをしているという方にも、全て活用が可能なものです。

外注先であっても、あなたがどんな言葉をかけ方をするかによって、本気であなたのために力になろうと思うか、こんな客のために力になりたいと思えないんだけど仕方ないからやるかという気持ちでするかにより、仕事のアウトプットの品質もガラリと変わってくるものでしょう。

では、具体的にはどうやっていけば良いのでしょうか?!

今回の定例講義(中上級編)では、実際に私自身が描いていた戦略表や組織設計等も例としてお見せしながら、解説しました。

そのテキストや音声、動画は、以下をご参照頂けたらと思います。

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