売上が上がれば上がるほど苦しくなる社長 v.s 楽になる社長 そのビジネスモデルの決定的な違いはどこにあるか?

ビジネスモデルがない起業家と、ビジネスモデルがある起業家の違い※第15回定例講義

2013年01月19日(土)【定例講義】  【記事投稿者一覧→】

昨年末、最後のメールでは、改めて次のようなことを書かせて頂きました。

社長の仕事は、「戦略」の構築と、「人材育成」の2つだと考えています。
シンプルに表現してしまえば、「戦略」の構築とは、どこに進むかを決めること。「人材育成」とは、共に歩むスタッフの可能性を極限まで発揮できるような環境を整備していくこと。

あなたの2013年の「戦略」は一言で表現すると何でしょうか?

あなたは、その「戦略」を実現するために、そして、あなたが頑張れば頑張るほど、売上が上がれば上がるほど時間的に苦しくならないようにするために、どんな「仕組み」や「組織」を作り、人材を育成していく必要があるでしょうか?

既に上手くいっているけれど、忙しくてたまらなく、なかなか新しい活動に時間が割けない方にとって重要なのが、「人材育成」や「仕組み化」ですね。

そんな中でも、役務の比率の少ない物販をされている方の場合、比較的、仕組み化は抵抗なくできることが多いです。

一方で、売上が上がることに、社長のカラダがとられるような分野、特に士業やコンサルタント、コーチのような「能力型」ビジネスモデルの分野ですと、売上が上がるほど社長が忙しくなります。

「能力型」以外のモデルでも、例えば、不動産仲介や人材派遣のような「仲介型」ビジネスモデルであっても、やはり同様に、身1つで小資本で起業されたクライアントさんですと、受注をとられるごとに社長ご自身が忙しくされている方が非常に多かったりします。

だからといって、社員を雇えば解決するかというとそんな簡単なことではなく、「能力型」モデルの方の場合ですと、そもそもが自分の代わりの社員を見付けることがそう簡単ではないことが多いです。

そして、「仲介型」の場合、社員を雇い給料を支払うと、自分は楽になっても会社が赤字になってしまうので、雇うにも雇えないということも珍しくないですね。

では、そのような場合、どうすれば良いのでしょうか?

事例その1: 講演を受注することで走り回っても疲弊することなく、依頼を受ければ受けるほどカラダが楽になるような「仕組み」とは?

以下、特に難易度が高い「能力型」の場合を例にとって解説しておきましょう。

私(中山)自身も、今現在、「能力型」モデルで、今現時点でも、クライアントさんの個別ご支援を毎月40社さん行わせているほどです。

また、「起業アイデア発想法!小資本で起業する方法は7種類22分類」というテーマでの公的機関さんでの講演は、今でもご依頼が絶えず、つい先日も、(公財)横浜企業経営支援財団さん主催の場でも、50名ほどの方にお話して参りました。

講演については、営業を一度もしたことがないですし、講師としての登録もしたこともエージェントにお願いしたこともないのですが、しっかりと仕組みを作れば、月に4回ほどはお受けしていき、日本全国を飛び回るような講師業としても生きていけると実感しています。

アンケートの結果は、日本全国どの地域でも「非常に良かった」(5点満点で5点)が7~8割を占めますので、紹介を意図的にお願いすれば、決して、非現実的な数字ではありません。

内容な時間にもよりますが、講演の単価としてお願いしているのは20~40万円ですので、これだけで月商100万円が実現します。

そして、講演終了後には、名刺交換をしたり、名刺をお持ちでない方は、紙に住所やメールアドレスを書いて残してくださったりする方が多く、平均して、講演参加者の7割以上の方が後日、弊社の無料メルマガを希望されますので、それを通じて、取引が開始することも多いです。

講演料を頂いて、その後、講演参加者がどんどんお客様になって頂き、売上も利益も増える一方ですから、これから起業される方から見たら、うらやましいことこの上ないかもしれませんね。(笑)

実際、このやり方で、年収3,000万円のモデルをつくるのは、そう難しいことではなかったりします。

しかし、それは、上述した通り、落とし穴に落ちる前兆だったりも
するわけですね。

売上が上がるほど、社長のカラダは忙しくなり、先々のことを考える余裕すら生まれなくなります。

その間に、カラダが疲弊するだけでなく、マーケットも変化し、やがては、飽和したときに、講演依頼がぱたっと止みます。
加えて、顧客流出が止まらなくなります。

そうなったとき、多くの方は大慌てで新規事業をお考えになられます。

そして、自分の起業当初のことを思い出し、半年や1年で、新規事業を離陸させようとついつい考えてしまいます。

ただ、残念ながら、ここでは理由は省略しますが、起業当初は短期間で離陸した方であっても、完全なる新規事業だと軌道に乗るまで3年くらいかかるのはざらです。

結果として、既存事業は衰退する中でなんとかやりくりするために半端でなく忙しいし、だから新規事業も中途半端になり、3年どころから、それ以上の時間をかけても立ち上がらない、だから忙しい状態がさらに続くという循環になりやすかったりします。

(これを読まれて、自分のことを言われてるんじゃないかとドキリと
されている方がいらっしゃるかもしれませんが、決して、特定のどなたかのことを申しているのではなく、多くの場合がそうだということでご理解くださいね。)

では、どうすれば良いのでしょうか?!

忙しさの発端は、講演の依頼が来るから、全部、自分が受けるという構造そのものにあります。
そこで、視点を切り替えます。

例えば、「起業アイデア発想法!小資本で起業する方法は7種類22分類」の講演の内容は、実は、2007年に初めてセミナーという形で標準化してから、このまるまる5年間、テキストは微修正するだけで、事例を含めて、ほぼ全く変わっていません。

脚本もトークも、参加者に応じて少しカスタマイズはするものの、5年間、ほぼ全く変わっていません。

それでも、日本全国どの地域でも、経営者が対象であろうと起業家が対象であろうと、同一の良い感想を頂き、顧客化につながります。

そこまで標準化されているのであれば、自分に代わる講師を養成することもそれほど難しいことではないと考えています。

そこで、全国各都道府県に1名ずつ、合計50名の講師を養成することを考えたとします。

そして、その50名の講師の方のために、半年に1回ほど、1回20万円の講演の受注をとれる構造を私(中山)がつくって差し上げたとします。

そうすると、1人の講師の方は、年に2回講演をすることになります。1つの地域で年2回の開催というのは、決して非現実的な数字ではありません。

すると、1人の講師の方は、年に20万円×2回=40万円の売上につながります。

その売上は小さいかもしれないですが、地域の経営コンサルタントの方で、「小資本ビジネスも出る7種類22分類」のような武器をお持ちの方はとても少ないため、商工会議所さん等からも支持されて、地域でのブランド化にもつながっていく可能性も高いです。

一方で、私の方では、各地域で年に40万円の講演をされる方が、全国に50名いることになるため、40万円×50名=2,000万円の売上となります。

この売上を、私がコンテンツやノウハウを提供し営業も代行したということ、講師の方が講演・サービスを提供したということで、半々に分け、売上を50%ずつ分けたとします。

そうすると、私の取り分は、1,000万円となり、上述した、私自身が講演で全国を走り回ることで得た金額とほぼ変わりません。

もちろん、講師を養成するのには、とんでもなくエネルギーを要することでしょう。

しかし、そのように頑張れば頑張るほど、講師が育ち、私(社長)のカラダは楽になっていくことは想像できるのではないでしょうか!

まさに、このようなビジネスの組み立て方をするのが、広義の意味での「人材育成」であり、「仕組み化」というわけです。

せっかくなので、もう一つ、私自身のビジネスを例にとって別の角度から解説しておきましょう。

事例その2: 時間のかかる教材開発を、自分のカラダに負担をかけることなく、加速度的に実現する方法

2013年、やっていきたいことの1つに、これまで8年間で開発してきた起業教材6,000ページを、シェア・ブレイン・ビジネス・スクールの公式カリキュラムとして、ワークを交えたものに、体系化し直そうと考えています。

これは半端でないほど大変で、私自身のカラダもとられます。

これを、カラダをとられないようにし、さらに質が高いものにしていくためにはどんなアイデアがあるでしょうか?!

例えばですが、今でもお問い合わせが多いのですが、「起業アイデア発想法!小資本で起業する方法は7種類22分類」を活用して、クライアントの支援をされたいというクライアントさんは結構いらっしゃいます。

既に実施されている例で言いますと、牛澤先生は、保険営業の際に、経営者の方との信頼構築のための営業ツールとして、弊社の教材を活用くださったりもしているほどです。

現時点においては、品質の維持のためにも、弊社の教材はコピー、転載はOKだけれど、現時点での弊社の体制では、編集ということについては許可をご提供することはできていないののが実状です。

一方で、そのように編集しカスタマイズして活用したいというご要望も実際あります。

ただ、この編集やカスタマイズというのは、現実的には簡単なものではありません。

なぜならば、よりクライアントの成果につなげようと思いカスタマイズした結果、それを活用される起業家の方を、短期的には成功に導いたとしても、中長期的には窮地に追いやってしまうというリスクがゼロではないからです。

私(中山)のポリシーとしてきたことの中で最も大きなものが、短期的な支援ではなく、5年を超えるような中長期にわたるご支援です。

そのように中長期的にとらえると、初めてお会いしたときにはとても起業することは現実的ではないなと思ったにも関わらず、5年後には離陸して会社を辞めることに成功するようなことは珍しいことではありません。

逆に、あんなに飛ぶ鳥を落とす勢いで成功された方が、業界から名を消してしまう例もたくさん見てきました。

弊社のコンテンツや教材というものは、まさにそういう視点に立って作ったもので、1,000名を超える方々の個別ご支援や、私自身の前職での非公開企業が1部上場までいき、それがまた非公開企業に戻り解体してしまうことを体感してきたことにも基づいています。

ですので、昨年に弊社のコンテンツのオープンソース化Project的なことを考えた後以降にも、この課題にはずっと向き合ってきました。

やはり、起業家の成長や中長期的な成功のためにと考えた場合、弊社のコンテンツを活用して起業支援をしていかれたい方に対して、適切な「教育」の仕組みも同時に必要になってくると考えています。

そこで、例えば、そのようなことができる有能なコンサルタントの方のご発展をご支援するための新しい会員制度のコースやクラスを準備し、私単独で過去8年で作ってきた6,000ページのコンテンツを一緒に改善してカリキュラム化していくことも不可能ではないと考えます。

そうすると、短期的には、コンサルタントの方々への教育には、たくさんのエネルギーを私として要することになることでしょう。

でも、それらのコンサルタントの方々の実力がどんどん高まっていったとしたら、私の方では時間的はどんどん自由になっていきます。

加えて、私一人の知恵ではなく、それらの有能なコンサルタントの方々の知恵もカリキュラムに凝縮されますし、複数コンサルタントによるディスカッションを通じて、ますますバージョンアップをはかっていけます。

つまり、売上があがるほど、私のカラダは自由になり、質が高まっていくということになるわけです。

そうして共同で開発したものについては、教材が売れたものについては、利益を弊社とコンサルタントの方でシェアしていくこともできます。

以上、弊社の「能力型」ビジネスモデルを題材に「仕組み化」、そして広義の意味での「教育」という要素を入れ込むためのアイデア
として、ほんの一例にすぎませんが、ご紹介させて頂きました。

当たり前ですが、自分が楽になっても、相手の方が苦しむのでは意味がなく、両者にとって良い関係が成立して初めて、関係が成り立つということは、はずしてはならない点ですね。

このようなビジネスとしての仕組み化というのは、どのような起業家の方でもよほどの特殊なビジネスは除き、実現が可能なものです。

もしあなたが、「融資支援」という分野で起業するとした場合、どのようなビジネスモデルを考え、「仕組み」を作るか?

以上は、受注後の「サービス提供」の部分であり、しっかりと仕組み化が必要だと言えますが、実は、それ以上に「仕組み化」がおろそかになるのが、「集客」です。

「集客」については、どうしても、いつまでたっても社長が何らかの形で手をかける必要があり、仕組み化したと思っても、すぐに新たな手を打つ必要が出てきてしまい、仕組み化のためのメンテナンスを永久にし続ける必要がある…、ということも珍しくありません。

その対策方法については、下記の「ビジネスモデルとは何か?」という観点から解説した動画の中でも触れています。

http://sbbs.or.jp/a/1301bmrkd/

そして、1月の定例講義では、この内容をさらに突っ込んで解説しています。
 
今回の内容は、アンケートで5段階評価で5(非常に良かった)をおつけくださった方が100%でいらしたという高評価の内容でした。難易度は高いかもしれませんが、味わって頂けましたら幸いです!

音声とテキストは以下をご覧ください。

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