なぜこの3人の消防士だけが生き残れたのか？
これは本当にあった話です。
特殊訓練を受けた15人の消防士が、空から舞い降りました。前日の落雷がきっかけで、山火事が発生し、それを止めることが目的です。しかし、降りたって初めて分かったのが、想定以上に深刻な状況だということでした。
火の高さは10m以上…。たった1分でサッカー場2個分を飲み込んでしまうほどの勢いで、もはや止めるのは不可能な状況でした。
リーダーは、火を止めるのではなく、逃げることを選択し、メンバーに伝えます。しかし、逃げても逃げても、火はどんどん追いかけてきます…。
残念ながら、特殊訓練を受けた15人ではありましたが、そのうち12人が命を落とすことになってしまいました…。
■生き残った消防士は何をしたか？
12人の消防士は、結局、逃げ切ることができませんでした。では、生き残った3人は何をしたのでしょうか？
そのうちの2人は、猛ダッシュで逃げ切ることに成功しました。つまり、体力が他の人達よりも優れていたといえるかもしれません。
では、生き残ったもう1人は何をやったのか？
実は、この1人は、他の消防士から見たら「恐怖のあまり、気がおかしくなってしまったのではないか？」と思えるような、常識から考えたらおかしなことをしたのです。
それが、一体、何であったかというと、火が追ってくるというのに、立ち止まり、マッチを取り出して、自分の目の前に火をつけたのです。火を消さなければいけない立場が、火をつけてどうするんだ、という感じがしますよね。。。
彼は皆にも、そうするようにと言いましたが、誰も従わない。まあ、当たり前といったところでしょうか。。。。。。
では、一体、なぜ、そんなわけがわからなく見えるやことをしたのでしょうか？ そして、なんでそんな方法で、生き残ることができたのでしょうか？
それは、目の前の草を燃やしてしまうことにより、自分の目の前には、山火事の火がやってこないようにしようと考えたのです！
火にとっては、燃えやすい草が燃料です。その燃料があるところにやってきます。しかし、その燃料がなければ、火がやってこない。
なるほど！！
まさに、他に生き残った2人のような「体力」ではなく、「知力」によって生き残ったわけですね。
■「思い込み」から逃れるのは難しい・・・
以上の話は、アダム・グラント著の『Think Again 発想を変える、思い込みを手放す』で解説されている内容です。1949年8月にモンタナで実際にあったお話です。
火が追ってくるのに、そこに火をつけたら大変なことになる。。。これが、他の消防士の「思い込み」でした。タイトルにあるように、この書籍の目的は思い込みを手放す方法について解説したものです。
私達も、起業・経営活動をしていると、自分でも知らないうちに、思い込みに囚われてしまっていることが多々あります。そして、一度思い込んでしまうと、それを疑うことさえしなくまってしまうものかもしれません。
例えば、新しい事業のアイデアを探そうとするとき、ほとんど多くの人は、「自分の強みは何か？」と考えます。なぜならば、書籍や教科書に、SWOT分析をはじめとして、そうしましょうと当たり前であるかのように書かれているからです。しかし、そのアプローチから始めると、90％以上の方が、結局、何も生み出すことができなかったりします。
現実はどうなのかというと、新しい事業というのは、既にある強みを生かすというよりも、
・新しい強みを仕入れたり、
・新しい強みを創造する
といったことで、生まれるものです。
逆に、「強みは何か？」と問いかけても普通は、新しい事業やイノベーションは生まれにくいものです。
■ビジネスとは、見込客を思い込みから解放する活動！
ですので、当社としては、こうした思い込みから逃れるためのご支援を日頃からさせて頂いています。
そして、いえることは、ビジネスとはあなたの見込客に、思い込みに囚われているという事実に気づいて頂き、解放して差し上げる活動ではないかということです。
思い込みに気づかせてもらった見込客は、きっとあなたに感謝し、あなたを「命の恩人」だと思って、生涯に渡り、感謝してくださるかもしれません。
あなたの見込客は、どんな思い込みに囚われてしまっているものでしょうか？ その思い込みから解放するために、具体的にどんなことをしていくのが最適でしょうか？
これを考えるだけでも、もしかすると新しい事業のアイデアが生まれるかもしれませんね！