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当社名誉顧問 稲吉紘実教授の音楽監督による、女性ピアニスト史上初の完全即興ソロピアノコンサートが開催されました

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もしあなたが、「今から80分間、1000人の前で即興で講演をしてください」と言われたら、どうするでしょうか?

話す内容を事前に決めてはいけない。過去に一度でも話したことがある内容に触れてもいけない。途中で噛んだり、言い直したりすることなく、80分間を1つの作品として完成させなければならないとしたら。

そのような、信じがたい創造を目の当たりにしたのが、先日参加させていただいた、ある一夜のコンサートでした。

 

2026年6月1日、サントリーホール にて、当社名誉顧問でCI戦略ディレクター&アドバイザーである稲吉紘実教授の生誕祝賀コンサート「稲吉紘実とキース・ジャレットに捧ぐ 鈴木瑶子 完全即興ソロピアノコンサート — 旋律」が、Love Earth Love Children World Art & Music Aid の一環として開催されました。

稲吉教授の音楽監督のもと、ジャズピアニスト 鈴木瑶子氏が挑まれたのは、楽曲も構成も事前に一切決めず、その場で生まれる音だけによって一つの作品を創り上げる「完全即興ソロピアノライブ演奏」です。

これは、キース・ジャレット以外、この半世紀において誰も成し遂げたことのなかった前人未到の勇気ある挑戦であり、稲吉教授が数十年にわたり世界中を探し続け、ついに邂逅した女性ピアニストによる史上初の試みです。

 

この歴史的快挙を成し遂げた音楽監督の稲吉教授は、父親がホンダの創業メンバーであったことから、幼少の頃から本田宗一郎社長に「世界一になれ」と鼓舞され、その才能を磨き、開花させました。

そしてデザインの分野では、デザインのアカデミー賞と称されるニューヨークADC賞アドバタイジングポスター部門において、世界初となるゴールドメダル2冠を同時達成し、世界一のCIデザイナーとなられました。これまで、あらゆるデザイン分野で100を超えるデザイン賞を受賞し、2026年には、世界3大デザイン賞の一つであるiFデザイン賞2026も受賞されています。

 

鈴木瑶子氏は、バークリー音楽大学を首席卒業され、小曽根真氏率いるバンドに演奏者・作曲者として参加。その後、ヨーロッパツアーを行うなど、国際的評価を拡大してきました。その稀有な才能と作曲能力をいち早く見いだし、新しい可能性を引き出されたのが、音楽監督・芸術監督を務められた稲吉紘実教授です。

 

稲吉教授は、これまで40年以上にわたり、スティーブ・ジョブズやGEなど世界的な経営者や企業に影響を与えてこられたほか、人物の内なる肖像をマークとして表現する「パーソナルマーク—象徴芸術」という新たなデザイン・芸術分野を確立。タイ王国国王陛下、フランシスコ ローマ教皇猊下、ダライ・ラマ法王猊下、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士をはじめとした国家元首や世界的VIPのパーソナルマーク—象徴芸術をデザイン、芸術作品にしてこられました。

音楽においても、17歳の時、キース・ジャレットの完全即興ソロピアノアルバム「ブレーメン・ローザンヌ」「ケルン・コンサート」に衝撃を受け、キース、ジョン・コルトレーン他、JAZZに傾倒し、以来、半世紀にわたり、ジャンルを超えて、あらゆる音楽を追求し、即興演奏から生まれる音楽の可能性を探究し続けてこられました。

3年前には、キース・ジャレットとの邂逅を果たし、その理念が今回のコンサートに継承されています。

 

つまり、今回のコンサートは、稲吉教授の半世紀におよぶ音楽への追求が、ついに一つの形として結実した一夜であったのです。

実際にコンサートが始まって驚いたのは、前半と後半、それぞれ約40分に及ぶ演奏が、信じられないほど短く感じられたことでした。通常、約40分間のピアノ演奏が二度続けば、相当な長さになるはずです。ところが、始まったと思ったら、もう終わってしまった。それほどまでに、その場で次々と生まれていく音に、引き込まれていました。

 

すでに完成している曲を演奏する場合、聴く側は、出来上がった作品を受け取る「観客」です。しかし、完全即興では、演奏者自身も、次にどの音が鳴るのかを知りません。演奏者の内面だけでなく、その日の会場の空気、聴衆の眼差しや呼吸、音と音の間に生まれる静寂までが交わりながら、これまで存在していなかった新しい音楽が、目の前で生を受けていきます。

私たちは、外側から演奏を眺めているだけではありませんでした。まるで演奏する側に回り、鈴木氏と一緒に作品を創っているような、不思議な感覚を覚えました。私達は単なる観客ではなく、生まれる一音一音に共に立ち会う「共創者」だったのかもしれません。だからこそ、新しい生命が誕生する瞬間を目の当たりにしたかのように、自然と涙がこぼれ出たのだと思います。

 

即興演奏とは、決して、準備なしの単なる思いつきのものではありませんでした。

巨匠 デューク・エリントンは即興演奏についてこう言っています。「スケールやコードをいじったりするだけでは音楽の練習にすぎない。昔も今も即興演奏は直感ではなく、よく考えられた創造である」と。

長年にわたって技術、経験、知識、美意識を磨き上げ、それを身体の一部にするところまで完成させた人だけが行える、完成後のさらなる創造でありました。そして、稲吉教授が半世紀かけて築き上げてこられた集大成を、音楽監督—指揮者として、鈴木瑶子氏の技術と感性が受け止め、一体となった瞬間だったからこそ、あの場でしか生まれない、唯一無二の奇跡が誕生したのだと思います。

 

今回、起業家を支援する立場として、強く実感したことがあります。それは、音楽監督・芸術監督という存在がいかに重要であるかということです。

サントリーホールという舞台を用意し、完全即興という極めて難易度の高い領域に挑む演奏家を見いだす。企画として形にし、その意味を多くの人へ伝え、会場へ足を運んでもらう。そして、一夜限りのイベントで終わらせず、その演奏を作品として残す。さらには、一人の演奏者を、世界に通用するレベルの作品へと押し上げ、こうした挑戦を、日本や世界に広がる新しい文化として育てていく。

一度のコンサートを成功させるプロデューサーとは、次元が全く異なります。表に見えるピラミッドだけではなく、それを支える土台を築き上げ、数千年に渡って世界を魅了していくための緻密な創造を行っていくこと。こうした活動こそが、まさに起業や事業そのものに他なりません。

 

同時に、最も大切なことは、芸術は単なるビジネスの対象ではないということでした。キース・ジャレットが「音楽はビジネスではない」と語ったように、真に価値ある音楽は、利益や効率を超えた、人間の精神の深いところから生まれるものです。

だからこそ、芸術監督の役割とは、商業的な成功を追い求めることではなく、音楽が本来持つ自由な創造性と生命力を守り育て、それを未来へつないでいくことにあるのだと思います。

当社が稲吉教授より10年以上にわたり学び続けてきたのも、まさにこうした創造活動の本質であると、改めて実感いたしました。

 

最後に、コンサートのアンコールで奏でられたのは、稲吉教授が創作、作詞された、地球の歌(Earth Anthem)—「LOVE EARTH LOVE CHILDREN」でした。

これまで何百回と聴かせていただいたこの曲が、鈴木瑶子氏の指先によって、また新たな命を授かり、音楽の偉大な力で世界を一つにするという、稲吉教授の長年の追求が、決して理想論ではなく、本物の力を持つものであることを、改めて身体で確信した瞬間でした。

 

「LOVE EARTH LOVE CHILDREN」は、今後の全世界リリースに向けて、たった今もプロジェクトが進められております。当社SBBSとしても、「戦争のない、環境破壊のない、人権侵害のない、貧困のない、真の平和な地球の実現」に向けた稲吉教授の挑戦を、今後も応援してまいります。

稲吉教授、お誕生日、誠におめでとうございます。今回生まれた「旋律」が、一夜限りの記憶にとどまることなく、1つの作品として多くの方々へ届き、新しい音楽文化として世界へ広がっていくことを、心より楽しみにしております。

 

 

稲吉紘実教授よりのレビュー

旋律のイデア ― 完全即興ソロピアノという「魂の聖域」

鈴木瑶子が紡ぎ出した前半40分、後半40分に及ぶ即興の絵巻は、単なるジャンルの横断ではなく、音楽史の諸要素が肉体化された「多次元的な統合」であった。

時にバッハやブラームスを思わせる厳格な対位法と機能和声に裏打ちされたクラシカルな構築美を見せたかと思えば、瞬時にラヴェルやバルトークに通ずる非機能的なヴォイシングやアトーナルな現代音楽のイディオムへと移行する。そこにジャズ特有の強烈なドライヴ感とスイングが加わり、日本女性としての内省的な美意識が、「旋律」となって立ち現れる。

それはたった一台のピアノからオーケストラの全パートが立ち上がるかのようなダイナミズムであり、ソロでありながら自己と時空が対峙し合う壮大な協奏曲であり、一篇の物語そのものであった。

 

特筆すべきは、彼女の「左手」の超絶的なコントロールである。拍のジャストの点からあえて僅かに遅らせて打鍵する「ビハインド・ザ・ビート」のタメと粘りが、演奏全体に圧倒的な奥行きを与え、前進するためのポリリズミックなうねりを生んでいた。

さらに、彼女は音と音の間に織り込む「沈黙」さえも旋律の一部として調律しており、その静寂には、次の旋律が生まれる前の「祈り」が宿っている。

常に右足をサスティン・ペダルに置き、ミリ単位でのハーフ・ペダリングで残響をリアルタイムに調律しながら、両足のステップで変幻自在なリズムを統御する。この両足のコントロールは単なるテンポキープを超え、彼女の身体に流れる「インナー・パルス(内面的拍動)」の可視化であり、強靭な左手と相乗効果を生み出しながら、地面から湧き上がるようなグルーヴと、空中で凛と輝く旋律を鮮明に浮き彫りにする推進力を与えていた。

 

聴覚的な驚異と同時に我々を圧倒したのは、鈴木瑶子というアーティストそのものが放つ、強烈なまでにフォトジェニックな美しさである。鍵盤に向かい、弾いている姿そのものが一幅の絵画のように美しい。

時に目を瞑り、内なる旋律をハミングとして奏でながら、全身を躍動させて音楽を表現するその姿は、極めて情熱的で官能的でありながら、聴衆を過度に煽るようなポピュリズムのパフォーマンスとは一線を画し、そこには凛とした高潔な気品が満ちていた。

それは、彼女が紡ぐ音の美しさと、彼女自身の生命が持つ美しさが完全に一致した至高の芸術的融和の瞬間であり、旋律が「彼女自身の生命の吐露」であることを証明していた。

 

キース・ジャレット以降、誰も真に挑むことのなかった「完全即興ソロピアノ演奏」という果てしなき孤高の極致。音楽監督として、この前人未到の領域に一人の女性ピアニストを立たせ、キースの幻影を内包しながらも、彼とは決定的に異なる「現代を生きる魂の、鮮烈にして深遠な気高き旋律のイデア」を明確に世界に提示したこと。それは、まさに無から有を生み出した歴史的瞬間であった。

 

私の半世紀に及ぶ音楽への情熱、美学、精度、そして魂のすべてが、あの瞬間、彼女のピアノへと完全に憑依していた。そして彼女もまた、その重圧をすべて受け止め、自身の血肉として解き放ってくれた。

彼女の指先を通して顕現した純度の高い「絶対的昇華」は、音楽監督としての私の理想と、鈴木瑶子という表現者の精神が、次元を超えて完全に共鳴し合わなければ決して生まれ得なかった奇跡である。この緊迫した魂の交歓こそが、このコンサートを音楽史に永遠に刻まれるべき「神話」へと導いたのだ。

 

総合芸術家
音楽監督
Prof. 稲吉 紘実

 

 

Hiromi Inayoshi Official [稲吉紘実 公式ウェブサイト]
Love Earth Love Children World Art & Music Aid(総指揮:稲吉紘実)
HIROMI INAYOSHI CI DESIGN
稲吉紘実 Wikipedia

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