なぜ人は思い通りに動いてくれないのか?
今日は、クライアントさんより面白いエピソードをお話頂いたので、シェアしたいと思います。
オランダの自転車会社ヴァンムーフ社は、商品の配送途中で破損したというクレームに悩まされていました。ズタズタになって届くことも珍しくないとのことで、日本では考えにくいですが、本当にあった話です。クレーム対応も大変でしょうし、加えて、再送もしないといけないしと、大変なわけですが、なかなか解決がしなかったそうです。
そんな中で、どんな解決策をとったのでしょうか? それは、非常に興味深い方法でした。
なんと、自転車を配送する時のダンボールに「薄型テレビ」の絵を印刷したのです。どうも、自転車を送るダンボールは、薄型テレビを配送する際の形に似ていたようなのです。
結果として、どうなったのかと言うと、配送会社は、それが自転車ではなくテレビだと思い、丁寧に運んでもらえるようになり、破損率が約8割も低下したとのことでした。非常に興味深い話ですね。
私もそれがどんなダンボールだったのか気になったので、調べてみたところ、こちらにあるような実際の写真を見付けることができました。確かにこれは自転車ではなくテレビに見えますね。
こうした工夫の話を見ると、ただ運送業者に対して苦情を申し立てるのではなく、知恵を絞ることの大切さを痛感する次第です。
何かの問題を解決する際には、人に対する「教育」というものは大切であり、おろそかにしてはいけないものだと考えられます。しかし、それが難しいことは、多くの人が痛感されていることでしょう。そう簡単に、人は代わるものではないからです。そのくらい、人を変えるのは難しいものです。
そんな中、上記の自転車会社は、運ぶ「人」を教育しようとしたのではなく、「仕組み」を変えたわけです。まさに、「仕組み」を変えた瞬間に、「教育」では無理だったことが、突然、実現してしまうことがあるわけです。
あなたが最近、「どうして、何度言っても言うことを聞いてくれないのだ!」と憤りを感じたことには、どんなことがあるでしょうか?
それを、分かってくれないその相手の責任にするのではなく、相手があなたが思う通りに動いて頂けるような「仕組み」として、どんなことを考えることができるでしょうか?