遅いレジが大人気の理由
あなたは、スーパーやコンビニでレジ待ちをしていて、イライラしたことはおありでしょうか?
「ない!」と言う人は、よほど人間ができていらっしゃることと思います!
そうではなく、ほとんどの人は、1秒でもはやく済ませたいと思うものではないでしょうか?
そんな中で、全く逆に、「遅いレジ」が大人気のスーパーがあります。それは、オランダのチェーン店「Jumbo」です。
同社では、合理化のためにも、すべてのレジを「セルフレジ」にしようとしていました。が、ある考えがあって、1本だけ通常のレジを残すことにしました。
一体、なぜなのか?
それは、一人暮らしのおじいちゃんやおばあちゃんのためです。一人暮らしをしていて、レジもセルフとなると、人との触れ合いがますます減っていってしまう…。だから、「おしゃべり」をしながら、ゆっくりレジを楽しむ(?)ような場をつくろうと考えたわけです!
その名も、「おしゃべりチェックアウト」!
このレジが大人気となりました。まさに、お店を買い物を事務的に行う場所にするのではなく、
「人と触れあう場所」というコンセプトに変えたわけですね。
弱みが強みに変わる?
一般的な常識から言うと「遅い」というのは、「弱み」以外の何者でもありません。しかし、その「遅い」ことが人気となり、「強み」に変わったわけです。
あなたの商品・サービスには、どんな「弱み」があるでしょうか?
そして、その「弱み」は、誰にとってメリットがあるでしょうか?
例えば、当社が2009年に創業した、「在宅秘書採用代行サービス」の場合。
当時は、マタハラと呼ばれることが行われていました。マタニティ・ハラスメント、まさに、子供が産まれると、病気になったり学校行事があったりで、会社の業務に支障があるので、子供が産まれた女性をあの手、この手を使って、やめさせようとすることです。
まさに、フルタイムで働きにくいということが、「弱み」だと捉えられていたわけです。
一方で、1人で起業活動をしている方からみると、どうでしょうか?
起業活動が軌道に乗り、事務の仕事がたまってきたので、誰かのお願いしたい。でも、フルタイムで働く人材を採用したところで、お願いする仕事がないのです。
そこで、1人社長の方々に、子育ての合間に「1日数時間」くらい働きたいという方々とおつなぎするサービスを始めたわけでした。
大手企業からみたら、フルタイムでしっかりと働けない人は、「弱み」がある人だと見えます。しかし、そうしたフルで働けない人は1人社長にとっては、「強み」だと写ります。
まさに、こうした着眼点を見付けると新しい事業が生まれますし、さらには関わる人達をより幸せにしていくことができるわけですね。
ある人にとっては「弱み」に見えるものは、誰にとって、「強み」に写るのか?
ぜひ、この問いを通して、新しい事業を生み出して頂けたら、嬉しい限りです。