人を育てる方法
この4月に、私の息子が中学校に入学しました。そして、昨日は、入学後初めての遠足に!
驚いたのは、その集合場所でした。通常だと学校で集合して、となるものだと思います。ところが、なんと集合場所が、「新宿センタービル」だというのです。私も、行ったことがありますが、具体的にどこだったを思い出そうと思うと、調べないと分かりません。当然、息子は行ったことはありません。
ところが、その集合場所には、親は付き添ってはならないというのです! 子供に地図を渡し(スマホは禁止!)、それを見ながら、初めての場所でも1人で来なさいというのです。
中学1年の頃といったら、私は栃木の山奥に住んでいて、電車にもバスにもほぼ乗ったことがないレベルでしたので、当時の私がこれをやれと言われたら、きっと震えが止まらなくなっていたことでしょう。
で、実際、どうだったかというと、最寄りの「都庁前」駅を降りて、新宿センタービルにまでたどりつく
までに、10分以上迷ったそうです。実際は、駅からビルまで2分ですので、それを考えると、相当迷ったのでしょうね…。
あの東京都庁あたりに行かれたことがある方はお分かりかもしれませんが、「ここって、ダンジョン?!」と思うほど、分かりにくいですので、迷うのも当然のことでしょう。
それでも、なんとか無事、たどりつけたとのことで、無事、遠足から帰ってきて一部始終を話してくれるのを聞いた時は、嬉しい限りでした!
そもそも、なぜ、学校側は、集合場所まで、付き添ってはいけないと言ったののでしょうか?
それは、「子供の自立」のためとのことです。
考えてみると、これまで、息子は遠く離れた行ったことがない初めての場所に、1人で行ったことは、一度もありませんでした。それを、今回初めて経験した結果、どうなったかというと、少なくとも電車という交通手段を使った場合はですが、事前に地図等の準備をすれば、日本全国、どこにでも1人で行けるような自信がついたのではないかと考えられます。
もちろん、親としては、
「道に迷って集合場所にたどりつけず、遠足に行けずに、泣きながら家に帰ってきてしまったらどうしよう…」
などと心配するものです。
が、仮にそういうリスクがあったとしても、今回のような経験をさせてあげない限り、子供のさらなる
「自立」はないのだろうなということを実感しました。
”いかに手を出さないか?”
”手を出してあげたくて仕方なくても手を出さない努力ができるか?”
まさに、こうした努力が、人を育てる立場にある立場にとってはいかに重要であるかを、改めて痛感した次第です。
私達、起業家・経営者は、時には社員やスタッフに対して、
「どうして、言われたことしかできないのだ!」
「そんなこと、自分で考えてやれよ!」
などと思ってしまうことがあります。まさに、スタッフがそのような状況の時というのは、スタッフが「自立」していない時だと考えられます。
が、そもそも、スタッフに対して、「自立」するための努力を、社長、上司としてしているでしょうか?
私自身、過去を思い出してみると、何かを任せたら、全くといっていいほど期待水準に到達しておらず、それに対して激怒し、「もう、スタッフに任せるのはやめよう」と考えて、自分で代わりにやるようなことを繰り返しました。
これは、例えていうならば、
「集合場所にまでたどりつくのに、10分も迷うなら、次は1人で行くのはやめなさい!」
と言って、子供がで初めての場所に出かける時には、ずっと付き添い続けるようなものかもしれません。
人の「自立」を支援するのには、勇気がいるものかもしれません。が、そうした勇気をしっかりと持っていけたら良いですね!