クレームを売上に変える方法
自宅のすぐ近くに、小さな中華そば屋があります。ワンタンとスープの相性がよくて、お店で人気ナンバー1メニューの1つが、ワンタン入りのラーメンだったりします。
先日、久しぶりにランチに行き、もちろん、ワンタン入りのものを注文しました。しかし、出て来たラーメンには、ワンタンがのっていなかったのです…。(涙)
私が「あのっ」と言おうとした瞬間に、店主のほうも、気づいたようです。
店主「すみません。すぐに準備しますので、先に召し上がってください。別皿でお持ちしますので」
それから、1〜2分ほどして、ワンタンをのせたお皿が、運ばれてきました。すると、そこには、別料金のはずの煮卵が載っていたのです。
私「えっ、いいんですか?」
店主「どうぞ、どうぞ!」
なんだか、ちょっと得した気分でした。
完食した後、会計をしようとして、1,000円を店主の方に差し出しました。そして、お釣りを受け取ったのですが、なんだかいつもより100円多い感じです。その100円分は、ワンタンの分であることに私はすぐに気づきました。つまり、ワンタン無しの料金でいいですよ、ということなのです。
店主「いいんです、いいんです!」
私は、完全に感激してしまいました! 確かに、最初にワンタンが入っていなかった時、怒ってキレたりはしないですが、やっぱり嬉しいものではありませんでした。ワンタンの盛り付けも含めて、ラーメンという1つの作品になるわけですから…。自分で、お皿から載せるというのもちょっと味気ない気がします…。
ですので、もし、そのまま何ごとも起こらず、お店を出ることになったとしたら、今後、そのお店の近くを通りかかるごとに「あのとき、ワンタンを忘れられたんだよな〜」という記憶が毎度のことのように思い返されることは間違いないことでしょう。
ところが、今回、私は感激しました。そして、その後も、何度かお店の近くを通りかかると、その時の感激を思い出します。そして、こうして記事にまで書こうとさえ思ったのです。
まさに、顧客をファン化していくというのは、こういうことなんだなと実感した次第でした。
クレームを「売上」に変えていくには?
ファン化していく上では、顧客満足度を高めるということが重要なのは言うまでもないでしょう。ところが、今回のように、クレームが起こった時も、ファン化を促進することも可能だと言えます。
「グッドマンの法則」という考え方があります。これは、クレームが発生したけれど、それに対して効果的な対応を受けた顧客は、特に問題が発生しなかった顧客よりも、リピート購入率が高いというものです。
調査によっては、クレームの対応に好感を持った顧客は、そうでない顧客よりも60%〜70%もリピート率が高かったというデータもありますね。
どんなに全力を尽くしても、ミスが発生し、クレームになることはあります。そういうことがあると、ついつい凹んでしまうことも多いでしょう。
しかし、大切なのは、凹んで自分を責めることではなく、どうやってリカバリーし、クレームを言われたお客さんに喜んで頂くかです。それに成功すれば、顧客との絆がもっと深まり、売上アップにつながっていくことは間違いありません。
あなたの会社では、最近どんなクレームがあったでしょうか? 次に同じようなクレームが起こった場合には、前回よりもさらに追加でどんなフォローをすることで、顧客との絆が高まっていくでしょうか?