月刊誌の先月号(5月号)の「おわりに」の内容は、なかなか事業の立ち上げが上手くいかない方にとっては、あまりに耳が痛すぎるお話だったかもしれませんね。
これまでは、クライアントさんが頑張ろうとするならば、私も全力を尽くそうという方針を持ってきました。
しかし、これからは、私が全力を出してご支援をしたとしても上手くいかないと考えられる場合には、どんなにお金を頂いたとしても個別のご支援を控えさせて頂く形にさせて頂けないでしょうか、というのが、先月号に書かせて頂いたことでした。
それでも、個別ご支援をどうしても希望される方は、起業というスタートラインに立つために必要なことをお伝えの上、実施頂き、課題を乗り越えられたことが確認できた後から、個のご支援を開始させて頂けないでしょうかというわけでもあり、これまでの優しいスタンスの(?)私からすると、想像もつかないことではないかとも思われるかもしれません。
このように書きながらも、なんてひどく厳しく、失礼なことを書いているのだろうと自分でも思います。
でも、なぜ、そこまでのことを文字にしているのかというと、起業というのは、決して簡単なことではない、ビジネスにおける最上級レベルの超難易度の高いものであるからです。
そして、そのような超難関な課題であるにも関わらず、甘く生ぬるい気持ちで事業に取り組まれ、本気で全力を尽くそうとされない方が少なからずいらっしゃるからです。
モチベーションが上がらない等というのはもってのほかですのでそれには触れませんが、時間がないとか、忙しいとかも、事業を新しく立ち上げるときには全く関係がないもので、言い訳にもならないものですね。
恐らく、これをお読みの方の中で、既に上手くいかれている方からすると、そのようなことは当たり前すぎて今さら何を言っているのかと思われるかもしれません。
実際、クライアントさんの中には、実際、なかなか上手くいかれない方に対して、
「やればいいのに、なぜやらないのだろう?」
どう考えたって上手くいくビジネスモデルだし、
なんのリスクもないのだから、やらない理由など全くなく
やらない理由がさっぱり分からない」
と言われている方がたくさんいるのも事実です。
私の方で、この10年間、個別のご支援を通じてチャレンジしたかったのは、
(1)何個の事業にチャレンジしても、5年・10年たっても
1つも上手くいかない
という方が、
(2)苦労はあっても、壁を乗り越え、事業を軌道に乗せることができる
という経験を積んで頂くためのご支援と、そのためのノウハウを開発し続けることでした。
ただ、10年の結論としましては、(1)の段階の方と、(2)の段階の方は、段階が違うのではなく、そもそもが属性・グループが異なり、
(1)の方を、「起業支援」を通じて、(2)に到達頂くことが困難である
ということでした。
誤解を招かないように言いますと、私はもともと(1)に属する人間でした。
そんな以前の私が、当時、起業したいと考え、実力のあるコンサルタントのもとに通い、起業支援を求めたとしても、起業できた可能性はゼロであったことでしょう。
そうではなく、(1)の方が、(2)に到達するためには、起業家としての努力ではなく、
起業家としてのスタートラインに立つための努力
なのです。
それはもともと分かっていましたので、個別ご支援の中で、そのためのご支援をしたとしたら、(1)→(2)が可能になるのではないかと考えて全力を尽くしてきました。
しかし、残念ながらその結果は、(1)の方は、どうしても、
起業家としてのスタートラインに立つための努力
のステップを「跳ば」され、起業家として前進するためのアクションを希望されるのです。
「跳ばす」というのは、2007年12月の「月刊アントレプレナー・コーチング3周年記念講演会」を通じてリリースさせて頂き、今でも活用くださっている方が多い次のロングセラー教材の中でも解説されているものです。
「起業の失敗は予測できる!
起業失敗には3つの要因と17の理由があった!!」
この「3つの要因」とは、
・跳ばす(省略する、飛躍する)
・見逃す(気付かない)
・減速する(停滞する、止まる)
というもので、まさに「跳ばす」とは失敗「3つの要因」の最初に来るものだったりします。
「跳ばす」と失敗することが分かっていながらも、私は個別ご支援の中で、(1)の方に対して、
起業家としてのスタートラインに立つための努力
が必要であり、そのためのサポートをしようと全力を尽くしつつも、現実的には、(1)の方は、直接的な起業支援を求められるので、ついつい私はそれに答えようと努力してしまったというのが、この10年でした。
つまり、私は、「跳ばす」のはいけないと分かっていながら、「跳ばす」ためのご支援をしてしまったことになり、(1)の段階にいるクライアントさんの前進を阻害するためのご支援をしてきたことになるのです。
私が(1)の方の前進のためにすべき最高のことは、起業ご支援をしないことであり、お伝えした課題を乗り越えて頂くまで「待つ」ことではないだろうか?!
そのような結論に到達した結果、先月号の「おわりに」のようなことをこれまでの私のスタンスをご理解くださる方の反感をかってしまうことを覚悟で、書くことを決意した次第でした。
どうか、個別ご支援をしないことにより(1)の方を見捨てようとしているのではなく、むしろ、乗り越える必要がある課題を「跳ばす」ことなく乗り越えて頂くように見守り、そうすることで、本当の意味でのサポートにつながればなと考えておりますこと、どうかご理解頂けたら幸いです。
では、ここまで書きますと、これから新しくビジネスを始めようとしている方は、果たして自分は、(1)なのか(2)なのか気が気ではないだろうと想像しています。
そこで、6/8(土)の定例講義では、その境界線が具体的に分かりますように解説をしました。
もちろん、その解説を聞いて、自分は(1)なのだと落ち込まれる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ご安心ください!
繰り返すようですが、私も、もともとは完全に(1)の側の人間でした。
前職では、「跳ばす」に近い概念として、「逃げる」ということを繰り返したり、自分は生まれ持った能力が普通の人より低いからできないのだという言い訳をし、今思うと恥ずかしくてなりませんが、そのような自分を生んだ両親や、子供の頃の教育環境が良くなかったのだと親のせいにするほどの、ひどいヤツでした。(笑)
その経験があるので、(1)の方の気持ちが良く分かるのです。
分かるがゆえに、(1)の方を(2)に到達頂くために全力を尽くそうと10年間考えてきたのですが、(1)→(2)のためのプロセスとして、起業のための個別ご支援というアプローチだけにこだわりすぎたのが、私の失敗でした。
そういう反省の意味も込めて解説したのが6/8(土)の定例講義であることをご理解の上、お聞き頂けたら嬉しく思います。
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