あなたの会社の「戦略」は何か?
質問です。あなたの会社の「戦略」は、何でしょうか?
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こうした質問は、個別ご支援のクライアントさんに対しては、いつもしているものですが、初めてこの質問をして、即答できる人は、極めて希だったりします。
そもそもが、「戦略」というのは一体、何なのかが分からなかったりするものです。
では、「戦略」とは何でしょうか?
・「戦」う、
・「略」奪する
という漢字から想像し、徹底的に相手をやっつけるようなイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、実際は違います。
「戦略」とは、
・「戦」いを、
・「略」すこと
なのです!
つまり、冒頭で質問した「あなたの会社の戦略は、何でしょうか?」という質問の意図は、
「あなたの会社が、戦いをしなくてすむようにするために、やっていることは、何ですか?」
ということになります。
分かったような、分からないようか? なんだか、ますますワケが分からなくなってきそうですね…。
そこで、改めて考えて頂きたいのですが、現実的には、今日、歩きながら、街中にあるお店や会社をご確認頂いてみると分かると思いますが、ほとんどのお店、会社には、「戦略」はありません。
私の自宅すぐそばに、中華料理定食屋さんがあります。その中華料理定食屋の戦略は、一体何か?
きっと何もないことでしょう。
その近くにも、中華の弁当を売っているお店があります。きっと、その中華弁当屋よりも売れるようにするために、
「もっと美味しい中華料理をつくろう」
と思っているのかもしれません。ということは、まさに、これは、「戦い」をしていることになるわけです。
よく、「差別化しましょう」と言いますが、それは、現実的には競合と戦って、勝つ方法を考えましょうと言っているのの同じです。この「差別化」のアプローチをとると、勝つための戦いをすることになるので、まさに泥沼です…。
きっと、そんなことをしたい人はほとんどいないとは思うのですが…。
では、どうしたら良いのかと言うと、「戦略」が必要になってくるのです。
「戦う」のではなく、「戦い」を「略」す方法を考えるのです!
では、具体的にどうしたら良いのか?
前述の、中華料理定食屋さんは、とにかく、ご飯のボリュームがすごく多かったりします。
私が先日ランチで訪れた時、そこまでのボリュームがあるとは知らずに頼んでしまい、結果として、「申し訳ないです…」と思いながらも、残すことになってしまいました…。
逆に、どういうお客さんが比較的多いのかと言うと、近くの建設現場で働かれている方や、クロネコヤマト、佐川の宅配の方々が多い印象を受けました。
仕事で机の前にいるような人ではなく、カラダを動かして仕事をするような、体力が求められるような方々です。それらの方々の中には、ご飯をお替わりしているような人もいます。
こうした実状を理解した上で、もし、私がこの中華料理定食屋の「戦略」を打ち出すとしたらですが、
「午前中に、カラダを思いっきり動かしてがんばられた方が、お腹いっぱいランチを食べて、夕方になっても、お腹がすいて仕事に集中できない、ということにならないようにするお店」
のような感じになるかもしれません。
そして、重要なことは、そうしたメッセージを、店の外や、店内の壁、席についたテーブルの上などに、全面的に伝えるのです。
このような中華料理定食屋はあるでしょうか?
きっとないでしょうし、だからこそ、こうしたことを掲げた瞬間に、競合店とは完全に異なる土俵にいくことになり、「競合ゼロ」、つまり、「戦い」を「略」すことになっていくのです。
間違っても、近くの中華弁当屋と味や値段で戦ったりしないことが重要になってきますね!
ただ、ここで次なる課題が出てくるものです。
もし、その中華定食屋さんが、単にボリュームを多くするだけだとした場合、それは戦略だと言えるでしょうか? 最初はそれでも良いかもしれません。でも、ボリュームを増やすことは誰でもできます。だから、すぐにマネされて競合店との戦いに戻ってしまうことでしょう。
だからこそ、そうした戦略を打ち出したら、その戦略のためだけに、世界で一番、努力を続けることが必要不可欠になってきます。具体的には、午後にガス欠にならないための、究極のランチメニューとは何であるかを追求するのです!
そうした追求の結果として、カラダを動かす仕事している全ての人の力になれないかもしれません。もしかすると、宅配の仕事をしている人だけに絞らないといけないことになるかもしれません。
でも、そうして顧客対象絞られていき、その層のためだけに最高の料理を提供できるようになったとしたら、ますます「戦略」が研ぎ澄まされたということになっていきます! そして、それが戦略というものだったりするわけですね。
では、改めて質問です。
あなたが、競合との「戦い」を「略」すためには、どんなことをしていったら良いでしょうか?
ぜひ、考えを深めて頂けたら嬉しい限りです!